君を思うほどに・・・(前編)
「カイ。俺・・・絵里奈の事が好きみたいなんだ・・・」
「前にも聞いたぞ?その話・・・」
休日。カイの部屋で夕鶴がそう言った。
夕鶴の言葉に呆れながらカイはそう口を開いた。
彼女。「絵里奈」という存在は、夕鶴と幼馴染で一番長い付き合いである事は、
夕鶴の親友であるカイが一番良く知っている。
勿論。夕鶴と絵里奈が両思いでありながらも、
お互いがその事に気が付いていない事も・・・。
だが、カイにとって、「絵里奈」という存在は邪魔な存在に過ぎなかった・・・。
実の事。カイは夕鶴のことが好きだった。
小学生の頃は、そんな恋愛対象として、彼の事を見ていなかった。
寧ろ。ずっと仲良くやっていける、親友のようだと思っていた。
だが、中学3年になり、カイの夕鶴への気持ちは変わって行ってしまった。
親友から恋愛対象に変わってしまったのだ。
最初、カイ自身も何故。そうなってしまったのかは解からなかった。
夕鶴は確かに、物凄い女顔ではある。
現実。共に外を歩いていれば、見知らぬ男に声を掛けられていた事も屡ある。
だが、その容姿とは裏腹に、口調も悪く、ぶっきら棒で不良っぽいところも在った。
しかし、カイを引き付けるものが、他にあったのだ。
それは、夕鶴の長い髪と強い眼差しだった。
平均男性の髪の長さより長い肩辺りの黒い後ろ髪と、
右目を隠す顎ぐらいまでの長い前髪。
そして、強い眼差しを持つ、深い紺色の瞳・・・。
それを持つ、夕鶴は、カッコ良いというよりも、
カイに対しては、美しいとも、色っぽいとも感じてしまった。
そして、何より、彼の一途な性格。
ぶっきら棒で不器用なのに、その思いだけは一途。
カイは、その夕鶴の性格に引かれたのだ。
この、一途な性格を現すこの瞳に見つめられたら・・・・
そう。カイは思ってしまうのだ。
カイも、過去に遊びで恋はした事はある。
だが、「本気」と言う物には辿り着けなかった。
はっきり言えば、カイにとって、夕鶴は初恋の相手だったのかもしれない。
そして、現在。高校2年になり、彼が絵里奈の名を口にすると、
カイは、心を痛む事を通り越し、虫唾が走るまでとなってしまっていた。
本当は、そんな事を思ってはいけない。そう。思っているのだが。。。。
カイはもう限界を通り越してしまった。
「なぁ、カイ・・・。俺。如何すれば良い?」
「夕鶴・・・」
「なんだ?」
「なんで・・・絵里奈・・・なんだよ・・・」
「か、カイ?」
行き成り言われた、カイの言葉に理解が出来なかった夕鶴は、カイに問い返す。
そして、当のカイは、夕鶴の両肩を掴むと口を開く。
「俺は。お前の事が好きなのに・・・お前は、絵里奈の事ばかりだ・・・
俺はお前の事が好きだ!好きで好きでたまらないんだっ!
なぜ、それを解かってくれないっ!?」
「か、カイっ!?」
カイの行き成りの告白に夕鶴は驚く。
だが、直ぐに冷静さを取り戻し、口を開く。
「カイ。悪ふざけは対外にしろ。何故、男のお前が男の俺を好きになるんだ?
そういう、嘘が目に見えている悪ふざけは聞くと疲れてくる・・・」
「夕鶴っ!」
「悪いが、今日は。帰らさせてもらう。邪魔したな・・・」
そう言い、夕鶴は部屋のドアを開けようとした。
だが、カイはそれを許すことなく、物凄い力で夕鶴を引き寄せ、ベッドに押し倒した。
「カイっ!いい加減にしろ!!何のマネだっ!!」
流石に、夕鶴もカイの行動に驚くのではなく、怒りの表情をあらわにし、
カイを思いっきり睨みつけ怒鳴った。
だが、夕鶴のその目は逆にカイを更に本気にさせてしまった。
そして、カイは、夕鶴の行動を嘲笑うかのように、怪しい微笑みを見せ言った。
「何のマネも、冗談でもない。俺は本当にお前が好きなんだ。
本当は、もう少し様子を見ようとしたが。もう駄目だ・・・」
「な・・・っ!」
声を上げようとしたが、その言葉はカイからの口付けにより封じられた。
最初は触れるだけ様な優しい口付けなどではなかった。
最初から、意識を奪うかのような、激しい口付けだった・・・。
夕鶴は精一杯抵抗しようとしたが、力が入らなく、只、空回りするだけだった。
夕鶴が酸欠状態になる寸前の所でカイは唇を離した。
「い、一体・・・何のマネだ・・・」
苦しそうに肩で息をしながら、夕鶴は再びカイに言う。
しかし、夕鶴の言葉など全くの無視をし、
カイは夕鶴の着ている黒いワイシャツをたくし上げる。
ワイシャツから露になった夕鶴の白い肌。
ある程度は想像していたが、予想以上の白さにカイは唾液を飲み込む。
彼の白い肌に手を沿わせる。
カイの人より少し冷たい手の感触に夕鶴は身体を少しビクつかせた。
手と同時に、首筋に舌を沿わせる。
「や・・・ヤダ・・・ッ」
そこが弱いのか、夕鶴は弱々しい悲鳴に似た声を上げる。
軽く、夕鶴の首筋を吸い上げると、綺麗な赤い痕が付く。
痕の付いた所に指を沿わせながらカイは夕鶴の耳元で耳打ちをする。
「こんなもの、絵里奈が見たら、絵里奈は如何いう顔をするだろうな?・・・なぁ。夕鶴・・・」
「クッ・・・カイ。貴様・・・」
「別に。俺が何を言われようが関係ない。夕鶴、お前が手に入ればな・・・。」
そう言い、カイの手は夕鶴のズボンに掛かった。
流石に大きな危険と恐怖を感じた夕鶴は力の限りに暴れだした。
「嫌だっ!離せっ!!」
思いっきり暴れだした夕鶴をカイは殴った。
「あ・・・」
殴られた痛みより、カイにこんな事をされたのは初めてで、
混乱で体が動かなくなった。
動かなくなった夕鶴を良いことに、カイは近くにあった制服のネクタイで
夕鶴の両腕を拘束した。
カイは、ベッドサイドにおいてある小瓶に手を伸ばし、
その小瓶の中身である液体を口に含み、そして、再び夕鶴に口付け、
口移しでその液体を彼に飲ませた。
カイのその行動に、当の夕鶴は、何の抵抗も無くその液体を飲み込んでしまった。
恐らく、行き成りすぎて抵抗するのを忘れてしまったのだろう。
「か。カイ・・一体なにを飲ませた・・・」
「安心しろ。身体に害は無い」
「そ、そんな事聞いているんじゃねぇ・・・あっ!」
それ以上の言葉を封じ込めるように、カイは再び夕鶴の身体に手を沿わせた。
そして、そのまま手を、彼の黒いズボンの中に入れた。
下着の中に入れている手は直接的に夕鶴自身に刺激を与える。
「ヤダっ!止めろっ!!カイっ!!」
「此処が良いのか?」
「違っ・・・ひ・・・っ!ああぁ・・っ」
「嘘だな・・・身体は正直だぞ」
「くっ・・へ、変態・・・ッ」
「別に構わん。お前に変態呼ばわれされるなんて光栄だな・・・」
そう言いながら、カイは下着ごとズボンを夕鶴から取り去り、
彼の蕾に指を挿入させようとした。
だが、硬いそれは、夕鶴に痛みを与え、指の挿入を許さなかった。
「つっ・・・!」
痛みを訴える夕鶴にカイは少しばかりか引くが、
直ぐに又怪しい微笑を見せた。
「!あぁ、悪い。まさかお前、本当に童貞だったんだな・・・
まぁ。それもそうか・・・絵里奈一筋だったからな・・・お前は。。。」
「なっ!」
夕鶴の反応を見て、楽しげにカイは笑う。
「まぁ。教え甲斐はあるがな・・・」
そう付けたし、自分の指を舐めると、再び夕鶴の中に挿入させる。
「っ!痛い・・・ッ!カイ・・・指抜いて・・・」
「ん・・・もうちょっとだけ我慢しろよ・・・」
少し滑りが良くなったとしても、相変わらずの痛みに夕鶴は顔を歪める。
だが後に、それは快感と交じり合い夕鶴を襲った。
「や・・・くぅ・・・」
「中々良い顔だな・・・夕鶴」
「やっ・・・あ・・・ッ」
自分の喘ぎに似た高い声と、部屋に響く水の音に夕鶴は
あまりにもの恥ずかしさで硬く目を閉じる。
だが、部屋に響く水音と強い痛みと快感が夕鶴を現実に引き戻す。
もう、何回熱を放ったのだろうか・・・
朦朧とする意識の中。カイが夕鶴に話しかける。
「もう大丈夫そうだな・・・
そろそろ俺も楽しまさせて貰おうか?」
ゆっくりとカイが夕鶴の中から指を引き抜いた。
違和感が無くなったと思い、息を吐いた瞬間だった。
「あっ・・・あぁっ!!!」
カイのモノが思いっきり夕鶴の中に挿入した。
あまりの痛みに夕鶴は悲鳴を上げる。
「っ!夕鶴・・・力抜け・・・」
「んな・・こと・・言われ・・・ても・・」
夕鶴がきついと云う事は、カイにとっても少々きつかった。
夕鶴の身体に力が入り、カイを強く締め付け少々痛い・・・。
一向に力の抜けない夕鶴に、カイは少しため息をつくと、
夕鶴の耳元に唇をよせ、再び彼に耳打ちをする。
「夕鶴、今力を抜かないと辛いのはお前だぞ・・・」
なるべく、優しい響きで、カイは夕鶴に耳打ちをする。
そうすると驚く事に。夕鶴の力がスッと抜けていった。
夕鶴の力が抜けた事を確かめるとカイは少し時間を置き、腰を動かした。
やはり、最初は痛みを訴えていた夕鶴だが、
それも、暫くすると快感に変わって行った。
部屋に、二人の吐息とギシギシと二人の体重を耐えるベッドの音が響く。
「やっ・・!か、カイっ!カイィ・・・」
「夕鶴・・・夕鶴っ!」
「あぁぁっ!!」
「・・・くっ!」
夕鶴が熱を放ったのと同時に、カイも夕鶴の中に欲望を全て注ぎ込んだ。
カイが夕鶴の中から自身を抜くと、夕鶴の体の力が抜け、彼は意識を手放した。
意識を手放した夕鶴の身体を綺麗しにしてやると、彼に布団をかける。
意識を手放した夕鶴の長い髪が汗と涙で顔に張り付いていた。
その、髪を優しく振り払ってやり、何時もは前髪で隠れている右目の瞼に軽く口付けをする。
「お前が絵里奈で、俺がお前だったら良かったのにな・・・夕鶴・・・」
そう、苦しそうに苦笑いをし、カイはそう口を開いた。
多分。夕鶴には聞こえていないだろう・・・。
カイは、軽く自分の服を着ると、部屋を出て行った。
カイが出て行ったあと、夕鶴が苦しそうに独り言のような寝言を言った・・・。
――――「 」
――――っと・・・・。
まだ意識を手放している夕鶴を、10月の月光が彼を照らしていた・・・。
<END>
<あとがき>
っと云う事で、一応終わりました。
初のオリジナルBL小説だったのですが、如何でしょうか?
自己評価は、まぁ。良い出来だったのか、悪い出来だったのか・・・評価し難いです・・・。
しかし、初のオリジナルBL小説で、行き成り無理矢理系・・・っというのも少し無茶だったような気がします。
(全くだっ・・・・)
こんな調子で、これからも小説を書いて行きますが、
もし宜しければ、一言でも良いので、ご感想下さると幸いです。