君を思うほどに・・・(番外編)
あれから、数日。絵里奈は夕鶴とカイの様子に異変がある事に気が付いた。
最初は、喧嘩でもしたのだろうかと、彼女は思ったが、だが、喧嘩したような雰囲気ではなかった。
もしかしたら・・・・・・。
そんな思考が絵里奈の頭を横切った。
「カイくん。」
「絵里奈?・・・なんだ?」
「ちょっと話があるの・・・。一緒に来てくれる?」
「あぁ。別に構わん」
絵里奈はカイを人気の無い、使われていない教室へ連れて行った。
「一体こんなところに呼び出して如何した?」
「カイくん。・・・夕鶴くんとなにかあったの?」
「!なぜ、そんな事を聞く?」
カイの言葉に絵里奈は口を開く。
「私だって、貴方達と長年一緒に居るのよ?
夕鶴くんや貴方の様子が可笑しい事ぐらい解かるわよ」
「じゃぁ。お前は、俺達が如何したと考えているんだ?」
カイの言葉に絵里奈は何の戸惑いも無く、口を開いた。
「もう一度聞くわ・・・カイくん。夕鶴くんに何をしたの?」
そう言った絵里奈の口調から、
彼女が自分に聞き出そうとしている事が何かを知ったカイは、少し間を取ると口を開いた。
「その言い方は、ばれている様だな・・・。
お前が考えている事と同じだ。夕鶴を無理矢理抱いた・・・」
カイの言葉に絵里奈は一瞬息を呑んだかの様に見えたが、
表情はそれ程。驚いているわけでもなく、逆に冷静のままだった。
まるで、彼女はその答えが最初から返ってくる事を解かっていたかのように・・・。
「驚かないのか?」
「えぇ。もしかしたら、そうじゃないかって・・・・思っていたから・・・」
「又。何故?」
「あのね。カイくん。悪いけど、私は貴方が思っている以上に
伊達に貴方達と長年一緒に居た積もりはないわ・・・」
少しため息をつくと、再び絵里奈は口を開いた。
「中学生の頃から。貴方が夕鶴くんを見る目が少しづつ変わって行った事も
私の事を邪魔者だと思っている事も・・・本当は全部気が付いていたんだよ。」
「絵里奈・・・・」
そういう絵里奈にカイは目を向けると、彼女はフッと柔らかく微笑み、
窓際まで行くと、そこから外を眺めながら口を開いた。
「夕鶴くんが、誰を選ぶのかは、私達には決める事は出来ない。
夕鶴くんが、誰を選ぼうがと、彼の答えに私は何にも口出しはしない・・・
いいえ・・・・私にはそんな事口出しすり権利なんかない・・・。」
「・・・・」
「―――でもね。カイくん・・・これだけは覚えておいて」
そう言い、自分の方へ振り返った絵里奈の表情が少しばかりか変わった様な気がした。
「もし、これ以上に夕鶴くんを酷い目に遭わせようと言うのなら
私は絶対に・・・貴方を許さないから・・・・・」
そう言った彼女の顔は何時ものように冷静な顔だったが、
その、言葉の色から、彼女の怒りが感じられた。
そう言い終ると、絵里奈はその場を立ち去った。
少し場所から離れると、絵里奈は溜息をついた。
「絵里奈」
「!―――彩・・・」
後ろから掛けられた声に絵里奈は振り向く。
彼女が振り向くと、親友の天宮彩が心配そうな顔をしていた。
「心配になって追っかけてきたの・・・」
「そう・・・有難う・・・」
「絵里奈・・・」
「もう、良いのよ・・・
もう・・・夕鶴くんの答えはもう既に解かりきっているわ・・・。
きっと、彼は―――・・・・」
絵里奈は、その後の言葉を言わなかった。
否。言えなかったのだ。
彼女の言葉は、零れ落ちる涙に飲み込まれてしまったのだった。
「私・・・私・・・如何したら良いのか解からない・・っ!
こんなにも夕鶴くんの事が好きなのに・・・なのに・・・・・っ」
「絵里奈・・・・絵里奈、泣かないで・・・・ね?」
「あ、彩・・・っ!」
言葉は出なかったが、絵里奈は、彩に抱きつき声を殺して泣いた。
彩は、そんな絵里奈を抱きしめ、子供をあやすように、髪を優しく撫でてやった。
<END>
<あとがき>
最後までお付き合い有難う御座いました。
っと、言う事で、「君を思うほどに・・・番外編」終了です。
この小説は、以前。ウェーブ拍手のお礼として書き上げたものです。
なので、これ書いてから結構時間が経っていますので、少し修正してアップしました。
えっと。。。話が変わりますが、
なんか、絵里奈は、私の知り合いの中では結構嫌われ者だったりします。
皆口揃えて、「この絵里奈って子。何か嫌・・・」って、言うんですよ。。。
そんなに、性格が悪い子って言う訳ではないんだけどなぁ・・・・(汗
兎に角。最後までお付き合い有難う御座いました!