KIZUNA〜絆〜



「なぁ。カイ・・・」
「夕鶴?」
ホームルームが終わり、カイが帰宅の支度をしていると、後ろの席に座っていた夕鶴が話しかけてきた。

「どうした?」
「今日、この後あいているか・・・?」
「あぁ。大丈夫だが、どうした?お前から誘ってくるなんて珍しい・・・」
「・・・あぁ・・・」
「?」
「ここならなんだから、別の場所で話をしないか?」
「そうだな」
夕鶴の言葉にカイは同意し、二人はカバンを持ち教室をあとにした。









学校から出ると、二人は駅前にあるファミレスに入った。

頼んだ珈琲を口に含むとカイは口を開いた。

「で、いきなり如何したんだ?お前から誘ってくると言うことは、唯事ではなさそうだが?」
「あ、あぁ・・・」
「何をためらっているんだ?夕鶴」
「なぁ。何を言っても怒らないか・・・?」
「まぁ。話によってだが・・・な」
「・・・」
「夕鶴?」
「実は・・・伊集院に告白された・・・」
「・・・は?」
夕鶴の言葉を理解できず、カイは抜けたような声を上げてしまった。

「もう一回言ってみろ・・・誰がどうしたって?」
「だから、伊集院に告白された・・・」
「お前が、伊集院に・・・か?」
「あぁ・・・」
「もちろん。断ったんだろ?」
「・・・どうすれば良いか解らなくなって、逃げてきた・・・」
「・・・全く。お前って言う奴は・・・・」
夕鶴の言葉にカイは軽く溜息を付く。


「もう、良いんだ・・・早く忘れたいから・・・」
「夕鶴?」
独り言のように言う夕鶴にカイは少し戸惑う。

「カイ・・・」
「ん?」
「飛んじゃうぐらい、ヤりたい・・・」
普段の夕鶴ならありえない申し出に、カイは少し間を取ると、
彼の右頬に手を置き、長い前髪をかき上げると口を開いた。

「・・・良いのか?手加減しないぞ・・・?」
「あぁ。解っている・・・」
自分の頬に触れるカイの左手に自分の右手を重ねると、ゆっくりと目を閉じた。











■□■□

『榊原。深波と付き合っているらしいな?』

『あぁ。伊集院も女にもてるんだからいい加減女誑かす事なんかやめて、
 早く本当の彼女でも作ったら如何だ?』

『榊原・・・俺が本当に好きなのは、お前だ』

『え・・・?』

『俺が本当に好きなのは・・・榊原。お前なんだよ・・・。
 俺はお前の事が好きだ!深波となんかとは別れて俺と付き合えっ!」

『な、何言っているんだよ・・・・』







――――ソンナコト・・・
イマサライワレタッテ――――・・・。






「・・・ヅル・・・夕鶴っ!!」
「!あ、わ、悪い・・・」
カイの声に現実に引き戻される。
自分を屈みこむカイは心配そうな顔をしていた。

「大丈夫か?」
「あ。あぁ・・・」




―――俺って、やっぱり馬鹿な奴だな・・・・
何を馬鹿な事。考えているんだろう・・・――――・・・



「んっ・・・」
カイからの愛撫に少しばかり恥ずかしそうに顔を背ける。

「あれ?お前。こんなに恥ずかしがるっけ?」
「え?そ。そうか・・・」
「あぁ。いつもとなんか違うな・・やっぱり・・・」
夕鶴の反応を見て、カイは少しばかりか溜息をつく。



「(どうしよう・・・)」

『―――混乱、する――――・・・。』


『榊原。俺が本当に好きなのは・・・』

『―――煩い・・・っ!やめてくれ・・・――――。』






「か。カイ・・・」
「どうした?」
「喋って・・・。」
「どうしたんだよ?」
「解らない・・・。でも・・・
なんだか落ち着かない・・・。怖い・・・」
「!・・・大丈夫だ。・・・夕鶴」
「カイ・・カイ・・・っ」

そっと、カイの背中に腕を回す。
それに答えるように、カイは耳元で囁く。

「俺だけを・・・俺だけを見て・・・。
―――ほかは何も見なくて良いから・・・。」

「・・・っ!」
夕鶴の瞳から止まる事無く涙が零れ落ちる。

カイは何も言わず。夕鶴の目じりから涙を拭った。






―――やっぱり、嫌だ・・・。
いつもみたいに出来ない――――・・・・。





「なぁ。やっぱり、今日はおかしかったか?」
行為が終わり、カイから渡された缶ジュースを片手に夕鶴は口を開いた。

「あ?お前は良くなかったのか?」
「そうじゃなくて・・・カイは如何かと・・・」
「そうだな・・・・・いつも以上に夕鶴が色っぽかったな」
「それかよ・・・!」
フッとした瞬間。夕鶴はカイに抱きしめられていた。


「か、カイ・・・?」
「夕鶴。お前の事を何があろうが絶対に手放す気はない・・・。
これだけは覚えておけ・・・。お前は俺のモノだ・・・。
お前は俺だけを見ていれば良い・・・。例外なぞ絶対に認めない・・・」
「カイ・・・」


そっと、夕鶴は瞳を閉じた。
それと同時に、再び夕鶴の頬を涙が滑り落ちた。





―――こんな辛い思いをするのならば、
恋なんかしたくなかった・・・・――――。


                         <END>




<あとがき>
―――っというわけで、この話は終わりました。
なんだか、夕鶴を無駄に白くさせてしまったようですね・・・。
しかも、カイまでもが変に優しいと言うか・・・なんと言おうか・・・。
最初、夕鶴に告白したのは晴樹にしようかと思ったのですが、
やはり、迷った結果。大和にしました。
大和も一応メインキャラ・・・なはず・・・なので。(なんだ?この自信なさげの言い分は;
実は、いきなり思いついた小説なので、あまり良い出来じゃないような気もしますが、
兎に角。読んでくださった方。本当に有難う御座いました!(強制終了)


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